ぼんち

2016年2月16日 映画
 本屋さんで市川崑監督特集コーナーが組まれていて、映画「ぼんち」の原作である山崎豊子作品の小説「ぼんち」が置いてあったので立ち読み。
 おもしろいなー。

 「ぼんち」にはずいぶん前から心惹かれながらも、映画も小説もまだ見ていないし読んでいない。

 すごく面白そう。上方の「ぼんち」と女たちの物語。
 好きなタイプの物語。

 今の時代、どんな裕福な人でも、こうした、本当の意味での遊び人というか「ぼんち」は居ないのだろうなぁ。
 今の時代の観点からすれば、一種のろくでなしではあるけれども、こうした人々が、少し高尚な言い方をすれば「文化」を担ってきた部分は否めないと思う。

 だからといって、さぁみんな、小金(こがね)が手に入ったら、遊ぼ☆と推奨するわけではない。
 きっと、遊ぶってのは、無理なのではないかしら。
 遊び方を知らないから。考えたこともないだろうから。

 遊びの文化が失われてゆくのは、とても惜しい。
 映画や小説の中だけのファンタジーとなりつつある。
 いや、もはやファンタジーだとさえ、感じないのではないかしら。

 美しいじゃないですか。ろくでなくて、みもふたもなくて。

 でも、そんなふうに感じるのは、現代人のそれこそファンタジーでしかないのかもね。
 泣いた女も男もたくさんいて、結局、全ては愚かなことで、悲しみだけが残ったのかもしれない。  

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