読書感想文が書けない子供だった。
 今でこそ、まるで読書家のように思われているけれど、猛烈激烈な立ち読み魔なだけだし、本は買う方だけれど「小説」の類を読むのが苦手。
 そう、子供の頃から。

 「ぐりとぐら」も読んだことがなかった。本を読むことを面白いと感じなかった。

 小学生の頃の夏休み。読書感想文未提出の常習者。
 まず「課題図書」というのが嫌いだった。
 これを読め、と提示されると、その段階でアウト。読みたくない。興味ゼロ。
 怒られても読まない、書かない。全くその気にならない。
 多分、何かの病気だったのだと思う(?)
 
 しかし、中学受験の内申書に響くというので、6年生の時に初めて読書感想文を提出した。
 初めから「賞」を狙って書いた。
 本のタイトルも内容も忘れたけれど、あらすじだけ把握して・・・つまり、まともに読まないで、それらしいことをそれらしく書いて、賞をもらった。

 ざまぁ~である。大人を騙すのが快感だった。

 中学生になっても小説が読めなかった。感想文が書けなかった。
 本を読みたいと思わなかった。
 中学1年の夏休み、マジメなブンガク作品を読まないといけないというので、なんとなく、超ブンガクっぽいという理由だけで、有島武郎に行ってみた。
 アホである。

 で、目覚めた。
 有島武郎作品と、小説を読むという行為の面白さに目覚めた。
 文庫本の末尾には、その出版社から出ているいくつかの作品と著者と簡単なあらすじが紹介されている。
 興味深そうな本を見つけて、お小遣いをはたいて文庫本を買い集めはじめたのもこの頃からだ。

 それから、「学校では教えてくれない事」が満載の作品ばかり好むようになり、本と読書が心の拠り所になった。
 本ばかり読んでいた。


 それでも、あいかわらず感想文の類は書けなかった。
 「学校では教えてくれない事」に対する感想は、学校には提出できないのだから。     

コメント

Aimee
2016年8月15日4:28

読書感想文に適した本って、ありますよね。
わたしが子どものころはSFは文学に非ず、という風潮で、SFばかり読んでいたわたしは、読書感想文には苦労しました。課題図書から吉屋信子の『花物語』を選んだら、これもある意味、感想文には適さない内容だったなあ。Sのことなんて知らないふりして感想文をでっち上げましたけど。

準カカオ純
2016年8月17日21:39

>Aimee様
 そうなんですよね、適した本を選ばないと、そもそも感想文を書けないのですよねぇ。
本が読むのが好きでも、それが感想文向きでないとすると。。。
「花物語」を選ぶとは!つわものであります。

 しかしまぁ、無理やり感想を書かせて、それを評価したりするのって、今、考えると変ですよね(笑)
 批評ではなく、あくまで感想なのだから、そもそも優劣はないはずですのに。

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